生徒の皆さん。
客神社祓殿に目をやると祓殿の真正面の高欄(手すり)が取り除かれていることに気が付きますね。これはこの位置に船をつけて参拝することに配慮したもので、当時は海からの参拝を正式のルートとしたのです。
その屋根は入母屋(いりもや)造りで高欄のない真ん中の位置だけ屋根が切り上げられ、入り口が大きく開いています。これは舳先が高い船がぶつからないようにしたものだと想像することができます。
さあ、目をつぶって想像してみてください。五重塔が作られた室町時代には、瀬戸内をゆく舳先(へさき)が高い船が神社にやってきました。中国からやってきた舳先と艫(とも)が高い唐船や舳先が龍の頭をかたどった船が乗り付けることがあったのかもしれませんね。岡の上の五重塔の軒先も美しく反って、のびやかに宙をさす中国風。そっと時空の旅に出れば、宮島はいろんな船が出入りする国際都市だったんでしょうね。想像しただけでワクワクしませんか.

                              まろうど3